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『函館の食材』について (商売のヒント vol.50)
  気持ちのいい秋になったと思ったら、今年は台風の当たり年みたいで次から次へとやってきます。東京近郊のキンモクセイの咲き頃も、ちょうど台風と重なって今年は少し残念な秋となってしまいました。それにしても今年の台風は元気がいいというか勢力が強い台風が多いように思います。台風28号は、日本には上陸しない経路をたどりそうですが10月24日現在の中心付近の気圧は905hPaとなっていて、最大瞬間風速は80だそうです。ちょっと想像もできないくらいの台風です。

また、伊豆大島では大規模な土砂災害に見舞われました。本当に自然の脅威の前に人間の無力さを感じます。私の祖父の家も函館から40ほど離れた小さな漁村なのですが、目の前が海で裏が山というか崖になっているロケーションで、その海と山との間のほんの20mくらいの間に集落が点在しているようなところでした。夏休みなど泊りがけでいくと「山が崩れてきたらひとたまりもないなぁ」といつも感じていましたが、幸いにもいまだに大規模な土砂災害は発生していません。

毎度のことながら、皆様の『商売』の分野については素人の私ですので未熟な私の哲学や思い込みもかなり含まれていくことになるとは思いますが、その時は御笑覧いただければ結構です。それでは第50回目を始めましょう。

『函館の食材』について

 

 今回は、ちょっと変わったところで函館の食材についてご紹介してみたいと思います。

 

スルメイカ

 函館といえば、なんといっても一番はイカでしょう。函館で主に水揚げされるイカは、夏場はスルメイカ(マイカ)冬場はヤリイカです。どちらも食べておいしいのですが、スルメイカのほうが身が厚く代表的な食べ物といえるでしょう。スルメイカは北海道各地や東北でも獲れるのですが、函館のスルメイカはその中でも一番おいしいと評判です。夜にイカ釣り漁船がイカを釣ると、自動的にイカ釣り漁船の中央にあるイケスにイカが流れていきます。イケスで生きたまま魚市場まで持ってくるのですが、函館の港は街の真ん中にあって魚市場から朝市までの距離は1劼發△襪ないかの短さです。これが活きのいいイカを食べられる一番の理由かもしれません。最近は泳いでいる状態で朝市などでも売っていてその場ですぐ刺身にして食べさせてもらえるようですが、1匹あたり800円くらいで活きているイカを食べさせてもらえるようです。

 私の祖父は、前述のように函館から少し離れた漁村で漁師をしていましたが、夏場はすぐ目の前の海でイカがたくさん獲れたそうです。ただ、イカがどれだけたくさん獲れても、その当時函館まで輸送するのに3時間近くかかってしまい、すぐ鮮度が落ちてしまうので売り物にならない。仕方ないので干してスルメにしたそうです。函館では、小さいイカを徳利の形にしたイカ徳利というものが観光客向けに売られています。熱いお酒を入れて楽しむのもいいかもしれません。最近では、イカの釣り方も進歩してきて、夜に岸壁から簡単な仕掛けでスルメイカが釣れるようになりました。自分の釣ったイカを味わうのも格別のものがあるのではないでしょうか?

 食べ方も東京とはかなり違います。イカそうめんのように細長く刺身にするのですが、そこに大量の大根おろしと少しショウガをかけて醤油でいただきます。函館にいるときは、イカの食べ方はこうするものだと思っていましたが、どうやら地域限定の食べ方だったようです。大根おろしがないときは一味唐辛子で代用します。基本的にわさびは使いません。

 

イクラ

イクラも秋になると鮭がたくさん獲れるのでよく食べますが、函館だけでなく北海道全般的にイクラの醤油漬けという食べ方なのだろうと思います。東京で売っているようなきれいなイクラの色ではありませんが、一粒々々の卵の膜の弾力が全然違います。口の中ではじける感覚は

食べたことがある人しかわからないのかもしれません。函館は、私がいた頃は北洋漁業のサケマス船団の基地になっていて出港の日は一大イベントのように町中で盛り上がっていたのが懐かしく思われます。

 

タラコ

イカ、イクラと並んで東京との鮮度の違いを実感するのがタラコです。

北海道の函館近郊の噴火湾というところはスケソウダラの良く獲れる場所で冬場になると沖合でスケソウダラ漁が盛んに行われています。このスケソウダラの卵の塩漬けがタラコです。このタラコも鮮度のいいものは本当においしくて私は大好きなのですが、こちらに来てからはほとんど出会った試しがありません。いまでは明太子のほうが有名になってしまいましたので、これからも出会う機会はないのかもしれません。

さて、そのスケソウダラなのですが獲れるのは冬場で、すごい量が水揚げされるので、その魚を冬場、噴火湾の漁師町では町中に干しておきます。そうすると硬く干しあがった棒タラというものができます。これを食べるときには、トンカチで、たたいて身を柔らかくしてむしって食べるのです。程よい塩味がたまらないのですが最近ではなかなか見かけなくなりました。

 

ウニ

NHKの朝ドラの「あまちゃん」でも獲っていましたがウニもたくさんいます。「あまちゃん」で獲っていたウニはムラサキウニというウニですが私の祖父の地元では「ノナ」といっていました。北海道ではもう一種類のウニがいてエゾバフンウニというウニがあります。こちらは「ガンゼ」といって、とてもオレンジ色がきれいでおいしいウニです。この「ガンゼ」をもぐって獲ってくると皆から喜ばれるのですが、「ノナ」の方はイマイチ喜ばれません。「ノナ」は「あまちゃん」でもあったようによく見える場所に張り付いています。ですので、獲る方は簡単なのですが、「ガンゼ」の方は海底の海藻の中に隠れているため、見つけるのも獲るのも大変なウニです。値段もだいぶ違うため滅多に市場などではお目にかかれません。もし、生の「ガンゼ」にお目にかかったら是非食べてみてください。

 

コンブ

ちょっと食材とは違うかもしれませんが、隠れた特産品が昆布です。関東の人には昆布というと日高昆布の方が有名かもしれませんが、本当の一級品は南茅部町(みなみかやべちょう)で獲れる真昆布が最高品質の昆布です。私の祖父の家は南茅部町木直(みなみかやべちょうきなおし)というところで、その真昆布の本場です。昆布自体の幅がA4の用紙の縦にしたくらいの幅があり厚みも5ミリくらいある昆布です。長さも4mくらいはあるものです。ほとんどが関西の市場に流れていくそうなので東京ではなじみが薄いと思います。天然ものは、昆布を獲ってくると二、三日そのまま吊るして干しておきます。その後、きれいな砂利を引いた作業場で天気の良い日を選んで昆布をきれいに並べて干していきます。夕方には倉庫にしまい、また天気の良い日を選んできれいに並べます。こういうたいへんな作業を経て最高品質の昆布が出来上がるわけですが、最近では老齢化や人口減少でボイラーで乾かしたりしているところもあるみたいです。私の祖父の家から2、3厠イ譴燭箸海蹐鉾札部(おさつべ)という集落があり、そこの白口浜(しろぐちはま)で獲れる昆布が特に最高品質で皇室に献上されるほどの昆布です。

 

いつか、皆様と函館ツアーを企画して、ぜひご賞味いただければと思います。

end

author:吉村 以知郎, category:2013年, 16:39
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