RSS | ATOM | SEARCH
『人を動かす』について (商売のヒント vol.49)

やっと暑さも峠を越したみたいで、日陰にいると心地よい風が感じられます。本当に昔の人には感心しますが「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、今年は特に当てはまるように思いますがいかがでしょうか?9月の中頃から11月の中頃にかけて東京では本当にいい季節になります。一日々々、味わいながら大切に過ごしたいと思ってはみても、過ぎてみるとあっという間という繰返しでここまで来ているように思います。そんな小さな感傷にひたることができるのも秋ならではですね。

さて、2020年東京オリンピックが本決まりになりました。私が5歳の時に東京オリンピックが開催され、おぼろげながら記憶に残っています。

ですので、私より年齢が上の方はより鮮明に記憶されていて、実際に見に行かれた方のお話を伺ったりもします。私より年下の方は、多分記憶にもないでしょうから今回が初めての夏のオリンピックになるのでしょう。待ち遠しいことがあると月日が長く感じるものです。これからは少し季節を味わうことができるようになるのかもしれませんね。

毎度のことながら、皆様の『商売』の分野については素人の私ですので未熟な私の哲学や思い込みもかなり含まれていくことになるとは思いますが、その時は御笑覧いただければ結構です。それでは第49回目を始めましょう。

 

『人を動かす』について

前回、前々回とディール・カーネギーの「人を動かす」という本の第1章の“人を動かす3原則”をご紹介してきました。私自身が一番「目からウロコ」状態です。3原則の第1は人間というものは基本的に「自分のしていることが正しい」と思って行動していること。その「正しい行動」をしている人間を動かすためには伝え方の工夫がいること。第2は「重要感を持たせること」そのためには「心からほめてあげること」が秘訣というお話でした。いよいよ最後の第3原則は「人の立場に身を置く」という部分をご紹介していきます。

 

 この章の最初には次のように書かれています。(P50)

 

 夏になると、わたしはメーン州へ魚釣りにゆく。ところで、わたしはイチゴミルクが大好物だが、魚は、どういうわけかミミズが好物だ。だから魚釣りをする場合、自分の好物のことは考えず、魚の好物のことを考える。イチゴミルクをえさに使わず、ミミズを針につけて魚の前に差し出し、「ひとつ、いかが」とやる。人を釣る場合にも、この常識を利用していいわけだ。

−中略−

 自分の好物を問題にする必要がどこにあるだろう?そんなことを問題にするのは、子供じみた、ばかばかしい話だ。もちろん、われわれは、自分の好きなものに興味を持つ。生涯持ちつづけるだろう。しかし、自分以外には、だれも、そんなものに興味を持ってはくれない。だれも彼も、われわれ同様、自分のことでいっぱいなのだ。

 だから、人を動かす唯一の方法は、その人の好むものを問題にし、それを手に入れる方法を教えてやることだ。これを忘れては、人を動かすことはおぼつかない。たとえば、自分のむすこにたばこを吸わせたくないと思えば、説教はいけない。自分の希望を述べることもいけない。たばこを吸うものは野球選手になりたくてもなれず、百メートル競走に勝ちたくても勝てないということを説明してやるのだ。

−中略−

 米国の心理学者オーヴァストリート教授の名著『人間の行為を支配する力』につぎのようなことばがある。

「人間の行動は、心のなかの欲求から生まれる・・・だから、人を動かす最善の法は、まず、相手の心のなかに強い欲求を起こさせることである。商売においても、家庭、学校においても、あるいは政治においても、人を動かそうとするものは、このことをよく覚えておく必要がある。これをやれる人は、万人の支持を得ることに成功し、やれない人は、ひとりの支持者を得ることにも失敗する」

 

 このように書かれています。

確かに私自身、釣りが好きで9月の最初の3連休も墓参りのついでに函館で釣りをしてきました。その時は岸壁からアイナメやソイを釣るためにゴカイをエサにしていました。私はゴカイを食べようなどとは一切思いませんが、海の魚にとっては御馳走のようで数は少ないですが釣れることはつれました。また、夜はスルメイカ釣りをしたのですが、スルメイカの好きそうなエサを、結構一生懸命に考えて仕掛けを作りいろいろ試しながら釣りをしていました。釣りたい魚になると一生懸命、釣り場とか仕掛けとかエサとかを雑誌で情報を仕入れたり、現地の釣り師の人に聞いたり、釣り具屋で教えてもらったりと努力します。ところが対人間となると、そこまで果たしてやっているかというと???というような感じです。

 

さて、P63には次のように書かれています。

 

きょうもまた数千のセールスマンが、十分な収入も得られず、失望し疲れはてて街を歩いている。なぜだろう―――彼らは常に自分の欲するものしか考えないからだ。われわれは、別に何も買いたいとは思っていない。それが彼らにはわかっていないのだ。われわれはほしいものがあれば、自分で出かけて行って買う。われわれは、自分の問題を解決することには、いつでも関心を持っている。だから、その問題を解決するのに、セールスマンの売ろうとしているものが役立つことが証明されさえすれば、こちらから進んで買う。売りつける必要はないのである。客というものは自分で買いたいのであって、売りつけられるのはいやなのだ。

それにもかかわらず、セールスマンの大多数は、客の立場で売ろうとしない。よい例がある。わたしはニューヨーク郊外のフォレスト・ヒルズに住んでいるのだが、ある日、停車場へ急ぐ途中、ロング・アイランドで多年不動産仲介業をやっている男に出あった。その男はフォレスト・ヒルズのことをよく知っていたので、わたしの住んでいる家は建築材料に何を使ってあるのか、たずねてみた。彼は知らないと答え、庭園協会に電話で問い合わせてみろという。それくらいのことなら、とっくに承知している。ところが、その翌日、彼から一通の手紙が届いた。きのうたずねたことがわかったのだろうか―――電話をかければ一分とかからない問題だ。手紙を開いてみると、そうでない。きのうと同じく、電話で聞いてみろとくりかえし、そのあとで、保険に加入してくれとたのんでいる。

この男は、わたしの助けになるようなことには興味がない。彼自身の助けになることのみに興味を持っているのだ。

本書から、“常に相手の立場に身を置き、相手の立場から物ごとを考える”という、たったひとつのことを学びとっていただければ、成功への第一歩が、すでに踏み出されたことになる。

他人の立場に身を置き、その心のなかに欲求を起こさせるということは、相手をうまくあやつってこちらの利益にはなるが先方には損になることをやらせることでは決してない。双方が利益を得なければうそである。

 

そして最後にこのように書かれています。

 

何かすばらしいアイデアが浮かんだ場合、そのアイデアを相手に思いつかせるようにしむけ、それを自由に料理させてみてはどうか。相手はそれを自分のものと思いこみ、二皿分も平らげるだろう。

「まず相手の心のなかに強い欲求を起こさせること。これをやれる人は、万人の支持を得ることに成功し、やれない人は、ひとりの支持者を得ることにも失敗する」。

 

 私自身が、このディール・カーネギーの本を皆様にご紹介しながら一番勉強になったように思います。

 

end

 


author:吉村 以知郎, category:2013年, 13:07
comments(0), trackbacks(0), - -
Comment









Trackback
url: http://blog.officeyoshimura.com/trackback/55