RSS | ATOM | SEARCH
『人を動かす』について◆ 幣η笋離劵鵐函vol.48)

毎日、暑い日々が続いております。今年は記録的な夏の暑さのようですが、毎年々々いろいろな面で記録が更新されているように思います。スポーツの記録なら結構ですが、気象面の記録は勘弁してもらいたいものですね。そのような暑いなかでも季節の変わり目の兆候が少しずつ見え始めているように思います。夕暮れの時刻も7時には暗くなっていますし、空の雲も夏の雲というより秋の高い雲が多くなっているのがわかります。埼玉の南のほうではすでに稲刈りの時期のようです。東京の真ん中の事務所の窓にも赤とんぼが飛んでいます。そのような季節の移ろいを感じて一瞬もの思いにふけるのも人生の貴重な時間のひとつなのかもしれません。

そうは言っても、暑いものは暑いので「暑気払い」でもやって暑さを吹き飛ばしたくなります。あまり「暑気払い」の効き目がありすぎると台風連続上陸記録みたいなことになってしまうかもしれませんので、ほどほどに効く「暑気払い」は季節を待つしかないのかもしれませんね。

毎度のことながら、皆様の『商売』の分野については素人の私ですので未熟な私の哲学や思い込みもかなり含まれていくことになるとは思いますが、その時は御笑覧いただければ結構です。それでは第48回目を始めましょう。

 

『人を動かす』について

前回はディール・カーネギーの「人を動かす」という本の第1章の“人を動かす3原則”から‥霓佑砲盡淙の理を認めるの部分をご紹介しました。人間というものは基本的に「自分のしていることが正しい」と思って行動していること。その「正しい行動」をしている人間を動かすためには伝え方の工夫がいること。この二つが重要というお話でした。今回は続いて“人を動かす3原則”の⊇斗彜兇鮖たせるという部分をご紹介していきたいと思います。

 

 この章の最初には次のように書かれています。(P33)

 

 人を動かす秘訣は、この世に、ただひとつしかない。この事実に気づいている人は、はなはだ少ないように思われる。しかし、人を動かす秘訣は、まちがいなく、ひとつしかないのである。すなわち、みずから動きたくなる気持を起こさせること--------これが秘訣だ。

 かさねていうが、これ以外に秘訣はない。

 

 このように書かれています。つまり相手がみずから動きたくなる気持ちを起こさせることが秘訣だといっています。最初から秘訣を明かされてしまいましたが、具体的にどのようにすると「相手がみずから動きたくなる気持ちを起こさせること」ができるというのでしょうか。

 

P33の終わりには次のように書かれています。

 

人を動かすには、相手のほしがっているものを与えるのが、唯一の方法である。

人は何をほしがっているか?

 

このように書かれています。ということは「人を動かす秘訣は、相手のほしがっているものを与えて、相手がみずから動きたくなる気持を起こさせること」ということになります。換言すると、相手の鼻先にニンジンをぶら下げて動きたい気持を起こさせるという随分単純なことのように思えますが、人間は馬ではないですし食欲だけで動くものでもないように思います。それでは、この本の中でディール・カーネギーが伝えたかった「相手のほしがっているもの」つまり「ニンジン」とは何なのでしょうか。

P34にそのことが載っています。

 

人間は、何をほしがるか?-----たとえほしいものがあまりないような人にも、あくまでも手に入れないと承知できないほどほしいものが、いくつかはあるはずだ。普通の人間なら、まず、つぎにあげるようなものをほしがるだろう。

1.健康と長寿

2.食物

3.睡眠

4.金銭および金銭によって買えるもの

5.来世の生命

6.性欲の満足

7.子孫の繁栄

8.自己の重要感

 このような欲求は、たいていは満たすことができるものだが、ひとつだけ例外がある。この欲求は、食物や睡眠の欲求同様になかなか根強く、しかもめったに満たされることがないものなのだ。つまり8番目の“自己の重要感”がそれで、フロイトのいう“偉くなりたいという願望”

であり、デューイの“重要人物たらんとする欲求”である。

中略

 すぐれた心理学者ウィリアム・ジェームズは、「人間の持つ性情のうちでもっとも強いものは、他人に認められることを渇望する気持である」という。ここでジェームズが、希望とか要望とか待望とかいう、なまぬるいことばを使わず、あえて「渇望する」といっていることに注意されたい。

 これこそ人間の心をたえずゆさぶっている焼けつくような渇きである。他人のこのような心の渇きを正しく満たしてやれる人はきわめてまれだが、それができる人にしてはじめて他人の心を自己の手中におさめることができるのである。葬儀屋といえども、そういう人が死ねば心から悲しむだろう。

 自己の重要感に対する欲求は、人間を動物から区別している主たる人間の特性である。

 

 このように書かれています。つまり「ニンジン」の正体は「自己の重要感に対する欲求」と説明しています。「人を動かす秘訣は、相手のほしがっているものつまり「自己の重要感に対する欲求」を与えて、相手がみずから動きたくなる気持を起こさせること」となります。

 ただ、私自身でも食欲とか睡眠などの生理的欲求や金銭的欲求などは「欲求」として分別して理解できていますが5.来世の生命とか7.子孫の繁栄という欲求はあまりピンときません。まして自己の重要感となると???となってしまいます。そこでカーネギーは次のような話を紹介しています。(P41)

 

 週給50ドルが、かなりの高給とされていた時代に、年俸百万ドル以上の給料をとった数少ない実業家のひとりに、チャールズ・シュワップがいる。シュワップは、1921年にU・S・スチール社が設立されたとき、アンドルー・カーネギーが社長にむかえた人物である。シュワップはまだ三十八歳の若さだった。

 アンドルー・カーネギーが、このシュワップという男に、どういうわけで百万ドル、すなわち一日に三千ドル以上もの給料を支払ったか?シュワップが天才だからだろうか?ちがう。製鉄の最高権威者だからだろうか?とんでもない、シュワップにいわせると、彼の使っている大勢の部下のほうが、鉄のことなら、彼よりもはるかによく知っているそうだ。

 シュワップがこれだけの給料をもらうおもな理由は、彼が人を扱う名人だからだと自分でいっている。どうあつかうのかとたずねてみると、つぎのような秘訣を教えてくれた。これは、まさに金言である。このことばを活用すれば、われわれの人生は、大きく変貌するだろう。

「わたしには、人の熱意を呼びおこす能力がある。これが、わたしにとっては何ものにもかえがたい宝だと思う。他人の長所を伸ばすには、ほめることと、励ますことが何よりの方法だ。上役から叱られることほど、向上心を害するものはない。わたしは決して人を非難しない。人を働かせるには奨励が必要だと信じている。だから、人をほめることは大好きだが、けなすことは大きらいだ。気に入ったことがあれば、心から賛成し、惜しみなく賛辞を与える」

 これが、シュワップのやり方である。ところが、一般の人はどうか?まるで反対だ。気に入らなければめちゃくちゃにやっつけるが、気に入れば何もいわない。

「わたしは、これまでに、世界各国の大勢の立派な人々とつき合ってきたが、どんなに地位の高い人でも、小言をいわれて働くときよりも、ほめられて働くときのほうが、仕事に熱がこもり、出来ぐあいもよくなる。その例外には、まだ一度も出あったことがない」

とシュワップは断言する。

 実は、これが、アンドルー・カーネギーの大成功の鍵なのだと、シュワップはいっている。カーネギー自身も、他人を、公私いずれの場合にも、ほめたたえたのである。

 

 いかがでしょうか。やっとニンジンの正体がわかってきました。ニンジンの正体は「人をほめることと、励ますこと」だったのですね。そうすると「人を動かす秘訣は、相手のほしがっているものつまり「人をほめることと、励ますこと」を与えて、相手がみずから動きたくなる気持を起こさせること」つまり「人をほめたり、励ましたりすることが、相手がみずから動きたくなる気持を起こさせる秘訣だ」ということになります。また44Pには次のようにも書かれています。

 

 われわれは、子供や友人や使用人の肉体には栄養を与えるが、彼らの自己評価には、めったに栄養を与えない。牛肉やじゃがいもを与えて体力をつけてはやるが、やさしいほめことばを与えることは忘れている。やさしいほめことばは、夜明けの星のかなでる音楽のように、いつまでも記憶に残り、心の糧になるものだ。

 

 まさにニンジンは「心の糧」だったのですね。ほめことばと励ますことばは、人の心の糧つまり栄養になるということなのでしょう。たしかに食料は与えても心の糧は与えていないことがほとんどです。『人はパンだけで生きるものではなく、神の口から出る一つ一つの言で生きるものである』という聖書の一句が思い起こされます。

 また、ほめことばとお世辞の違いについても書かれています。(P46)

 

 お世辞と感嘆のことばとは、どうちがうか?答えは、簡単である。後者は真実であり、前者は真実でない。後者は心から出るが、前者は口から出る。後者は没我的で、前者は利己的である。後者はだれからも喜ばれ、前者はだれからも嫌われる。

 

そして最後に

 

シュワップのように、“心から賛成し、惜しみなく賛辞を与え”よう。相手は、それを、心の奥深くしまいこんで、終生忘れないだろう。与えた本人が忘れても、受けた相手は、いつまでも忘れないでいつくしむだろう。

 

みなさま、いかがだったでしょうか?私には、ほとんどできていないことでした。ただ、過去を振り返ってみると「そういうことだったのか」と思い当たるフシもあります。原価0円の誰でもできる秘訣試してみる価値はありそうです。

 

 
author:吉村 以知郎, category:2013年, 10:46
comments(0), trackbacks(0), - -
Comment









Trackback
url: http://blog.officeyoshimura.com/trackback/54